
職場のごく近所に橋がある。昨年の護岸整備・橋脚拡張工事で、この一角だけは驚くほどに見違えた。この河川はここを起点として一級河川として認められるそうなんだが、この橋には不思議と名前がない。欄干には銘が掘り込まれたプレート等は何もない。いや、橋梁名は実際はあるのかもしれないし、河川の名前を取って「×川橋」という呼ばれ方があるのも知っているが、助手席装備のゼンリンの道路地図にはやはり名称は何ら記入されていない事からして、正直なところよくわからない。
通りの向かいに“歯科医院”や“中学校”があることから「ハイシャんところの橋」とか「チュウガッコウの前の橋」とか呼ぶ、ケッタイにして実に即物的な名称もはばかり通っている。でも実際、コッチの呼ばわり方の方が、ご近所には簡単に通じる事から、別にコレでも良いのではなかろうか?
ボクは好き勝手に「白鷺(しらさぎ)橋」と呼んでいる。当然の事ながらこんな名称の橋は市内の何処を捜してもまず見当たらないし、誰にも意味は通じない。でもボクがこう呼ぶにはちゃんとした理由がある。実はこの橋梁の下の川面には、なぜか一羽の“白鷺”が居ついているからだ。

...で、これ。かなりガタイの大きな鷺(さぎ)なのだが、取り急ぎフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で画像を調べてみたところ、これはどうも「コサギ」という種類らしい。長い冠羽に特徴があることから、まだ夏羽(なつはね)みたいだ。
コイツは毎日お昼近くになると、この場所に決まって飛来して、夕方近くまでここで佇んでいる。クルマで通りかかる度に“なんとわなし”に眼の端に止まる光景。毎日と言って良い程この場所にだ。立ち位置がほぼ決まっている。川の水は決して澄んではいないので、ザリガニか小魚でも目当てなんだろうか?時々、意を決したように下流に向って飛翔・滑空していくが、実に豪快にして美しい姿だ。まるで秘密のトンネル滑走路から、水面を蹴立てて飛び立っていく真っ白い快速戦闘機のようで、特撮番組を観て育った世代のボクとしては、かなりドキドキする光景だ。(笑
ここのところ、夜な夜な怪しい落書きにかまけていたが、偶然“翼”を描いていて、ひどく悩んでいた。何か参考になるやも知れぬ。一度、画像を収めて是非「記事を上げてみたい」という欲求に駆られ、デジカメを持って近づいてみた。でも警戒心が強く、ヒトの姿が近づくのに気付くと、すぐ橋の下に引き篭もってしまう。引き篭もられてしまうと、コンクリート製の橋脚に遮られて、角度が悪く撮影できない。数回試みたが、ついに気に入った姿を撮影させてもらう事が出来ず、敢え無く断念した。
でも明日もきっと居るだろう。また再チャレンジするつもり。綺麗に画像に残してやるから、そのかわりちゃんと撮らせろよなあ。

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