
実在した加藤戦隊長がベンガル湾上空で戦死後、戦意高揚の為に作られたこの映画。実際の彼の部下2人が協同で「加藤隼戦闘隊」を執筆/出版。これが脚本の元となってこの映画となったんだそうです。
陸軍航空本部が全面的に監修したそうで、実機の「隼」はいうに及ばず、鹵獲されたカーチスP-40「ウォーホーク」戦闘機やブリュースターF2A「バッファロー」戦闘機などを、ガシガシ撮影に使っているんです。当時の録音技術ですから音声など「さぞや聴きとり辛かろう...」と、取り合えず模型制作の今後の参考にと軽く見流がしていたところ、あまりの「隼」の旋回性能や空中戦シーン(一部特撮)の物凄さに、手に汗握りつい見入ってしまいました。

戦時中の製作でありながら、戦後こう観ても遜色がまるで感じられない。若き藤田進が演じる“加藤戦隊長”と彼が率いる隼戦闘機部隊。彼等が如何様に戦い、あがらい難い戦局の帰趨にどのような働き(活躍か?)をしたのか?淡々とストーリーが進行し、戦意高揚として妙に肩入れのない距離を置いた作り...「軍神」ではなく人間「加藤」としての部隊内ドラマに重点が絞られ、それでいて記録映画風テイストが変に爽やかな印象を残した不思議な戦争映画でした。なるほど!これなら昭和43年に再上映されるのも、どことなく頷ける。
映画監督は山本嘉次郎さんという方だそうですが、この方東宝映画の大御所といわれ、かの黒澤明監督の師匠筋に当たる方なんだとか。秀逸な特撮で知られる円谷英二の腕も、抜群に冴え渡っておりました。
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