我が「散漫なる空技廠」も成り行き上、模型「
五式戦闘機」開発に着手する事になりました。...ですが、実は実機についてはあまり良く知らないし、資料もほとんどない。つぅーか、こういう“遅れてきた優等生”自体、あまり好きではなかったりする。
この機は先のキ61「
飛燕」の搭載する液冷発動機の不調や整備の困難さから生まれた経緯を持つとか?かつ発動機の生産が追いつかない事から、首なし機体が溜まってしまうという由々しき事態が発生した事から、陸軍部は発動機を三菱の空冷複列星型に換装する事を発令し、結果として「キ100 五式戦闘機」として世に送り出されたそうなんだ。最大速度は幾分低下したものの、冷却系統(水/潤滑油冷却装置の事?)を撤去したため重量が軽くなり、離着陸や上昇性能、旋回性能などの運動性能が飛躍的に向上し、F6FヘルキャットやP51マスタングに対しては、互角以上...近接戦闘においては唯一「優位に立つ事が出来た戦闘機」としてその名を今日に響かせているそうである。(両さんの「こちら亀有〜」のマンガの方でも何かと有名。)
ボクが購入したHASEGAWAの1/48のキットは、「五式戦闘機(特製操縦士フィギュア入)」でも「〜一型乙」と呼ばれている胴体後部を小改造して重量軽減と後方視界をよくした水滴型風防を装備したType。だが何かカタチが端正で整いすぎていて...いわば「格好が良すぎて」面白かない。それで今回は「塗装」で遊んでみることにしました。
それまでボクがこの機に対して持っていたイメージとして、「敗戦間際に忽然と登場し、運動性能を遺憾なく発揮して、連合軍機と太刀まわる姿」は、どことなく食うや食わずにして痩せ衰えた浪人者、もしくはボロを纏った無宿者が、数に物言わせて縄をかけようと襲い掛かってくる捕吏を相手に切り結んでいる姿(戦前の活動写真に在りがちな風景)をつい連想した。それでこの「痩せ枯れた」というイメージを、国防色の「カーキ色」で表現してみようと思ったわけ。
本来「陸軍航空機」というのは「部隊」としての威儀を正す為、さもしい台所事情(整備圧縮)はさて置き、カラフルな塗装が用いられる事が多かったわけですが、大戦末期は枯渇した物資の中、または当時の軍需動員計画方針の資料の中にも、それこそもう戦車も戦闘機も鉄帽も一緒くたな国防塗色で塗りかましていた節が見受けられたので(ウソです 笑)、それを「五式戦闘機」の塗装の中に「
IF」てなカタチで盛り込んでみたかったわけなのでございます。
ですから最初にお断りしておくと、このような実機のばっちい塗装例は、現実には存在致しません。あくまでAFV的発想を持ち込んだまっくらイメージの産物です。「五式戦」ではなく「
誤色戦(ごしきせん)」なのでございます。(笑)
塗装に使用したのは、厳密には「カーキ」ではなく、日本陸軍戦車色の「土草色」。銀地がむき出した剥げチョロを再現したいので、演出したい箇所には前もって「銀」を吹き付けています。サフ下地が透過して「土草色」は思いのほか「黄」が濃く出ますので、注意が必要かと。
ただ「カーキ」を泥っぽくベターっと塗るのでは、本当にこの機は死んでしまいますので、中期決算的妥協案として(笑)淡くグラデーションを付けようとウエポン用の「オリーブドラブFS34087」を吹き付けてみました。すると基本色が黄色っぽいので「茶」が強く出ます。
一方、基本色より明るい色は、機首の発動機周辺を重点的に吹き付けました。これは熱が篭りそうな箇所に塗られた塗料は、粗悪な顔料が表面の熱に耐えられず急速に脱色・退色してしまったような解釈として。(想像としては楽しいんですが実際はどうか???)また排気管周辺は盛大に煤汚れを再現しますので、見た目かなり先太り...雁高な印象になるのではなかろうか?(笑)
また「お遊び」で機体全体に渡り、図面のリベットの位置から肋材を割り出し、マスキングテープで細かく区割りをして吹きつけ塗装を施し、「モザイク遊び」をして機体表面にある(かもしれない)微妙な凹凸を塗装で再現してみました。
現在はまだ細かいリタッチをしている最中です。この作業が終わったらぺりぺり剥げチョロと墨入れ、尾翼の簡単な仮想マーキングに取り掛かるつもり。でも機体がこんな変なンコガエル色だったら、その搭乗員はさぞや萎えただろうなあ...。(苦笑)